9月22日(金)、国立能楽堂12月特別企画公演・新作狂言「鮎」の制作発表記者会見を行いました。
国立能楽堂では、10年ぶりの新作狂言(委嘱作品)です。

今回上演する「鮎」は、現代日本を代表する作家のひとり、池澤夏樹が初めて狂言台本を執筆、野村萬斎の演出・主演により、これまでの狂言にはない新たな世界に挑みます。
その二人が、公演に向けての意気込みを語りました。

画像説明



作者=池澤夏樹

画像説明


私と狂言なんて意外な組み合わせとお思いでしょうが、実は20代の頃に、萬斎さんのお祖父様にあたる6世野村万蔵さんの熱心なファンで、舞台をずいぶん拝見したものです。2年程前、国立能楽堂の公演プログラム(平成27年10月号)に、昔、狂言が好きだったことを書いたのがきっかけで、今回、新作狂言を書かせていただくことになりました。

私の作品の中で実際に狂言にできる作品があるかを考えると、かなり悩みましたが、昔書いた『鮎』という短編小説に辿り着きました。これはもともと南米のお話で動物も鴨だったのですが、私がよく通っている石川県の手取川・白峰の辺りに場所を移し、鮎の話に焼き直したものです。今回は、それをさらに狂言に焼き直したということです。

狂言の台本にするにあたって、私は芝居の台本を書いたことがなかったので苦労しましたが、舞台を想像して書き進むうちに、「これは楽しいことになる!」と思うようになりました。この先は稽古に立ち会うだけの「特権的な観客」となりますので、「後はもう楽しいだけ」という幸せな身であります。
どうぞご期待ください。


演出・補綴・主演=野村萬斎

画像説明



僭越ながら池澤先生には、台本をお書きいただくにあたって、あまり書き込みすぎず、「余白」を残して下さるようにリクエストしました。読んで面白いものは(狂言にせず)読んだ方がいいので…。やはり生の声とか身体性が生かされてはじめて狂言らしくなると思っています。

演出面では、古典狂言をベースにしすぎると、洗練度が違いますから、結局は古典の方がよく見えてしまいます。どの程度新作にして、どの程度狂言らしくするかという兼ね合いが難しいところだと思います。なんだか見たことがあるようなものでは新作の意味もありませんし、あまり突飛すぎても、狂言でやる必要があるのかと思われてしまいます。

新作狂言「鮎」は、池澤先生らしい批評的な視線などの「新しさ」を取り入れていくことで、さらに狂言の幅が広がっていくのではないかと思っています。また、僕の演出的賭けでもあるのですが、今回は出演者(鮎)がたくさん登場して大活躍します。鮎に人格を与えることで、また楽しい狂言になるのではないかと想像しています。

今回の上演で終わらず、再演されていく作品になっていけばいいなと思っています。

                ◆◆◆

原作から大胆にアレンジした新作狂言「鮎」をどうぞお楽しみに!



国立劇場
国立演芸場
国立能楽堂
国立文楽劇場
伝統芸能情報館

English
日本芸術文化振興会について
ご意見
各種お問い合わせ先
よくある質問
サイトマップ

プライバシーポリシー
このサイトについて
個人情報保護方針
ソーシャルメディア運用方針
(C) Japan Arts Council